泣けるお勧め読み物。街をぐるりと囲む煉瓦造りの城壁に、ぽっかり開いたアーチ状の入り口をくぐると、城壁と同じ煉瓦で組み上げられた、こぢんまりとした宿場街があった。 ……なーんてことを僕は言ったりしなかった。思っただけである。だからこの時、僕がやったのはただ彼女の横に立ってふと空を見上げることくらいさ。文化祭終了をきっかけにしたように、途端に秋めいてきた山風が細い雲を追い立てている。 会長は顎を引いて眼鏡を意味なく光らせつつ、愛に一人ぼっち(TL ボンボンショコラ文庫) 青空文庫txt 挿絵付き
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